はじめに
どうして手回しオルガンを作ってみようと思ったのか?など
自分で作った手回しオルガンに込めた想いを書き記してみようと思います。
演奏家目線で見えた、新しい世界に挑戦する為に、、、
私は、20代前半に、最初の手回しオルガンを手に入れてから約20年間程、
プロの演奏家として、そしてパフォーマーとして、様々なシチュエーションで演奏してきました。
楽器として更に進化させたい
この楽器を演奏していると、よく言われる、あるあるが幾つかあります。
そのうちの一つが、「ハンドルをただ回すだけ。簡単じゃん」
確かに、間違ってはいませんし、それも手回しオルガンの魅力の一つかと思います。
ですが、手回しオルガンというものは、「楽器にも機械」にもなり得てしまうものかと思っています。
本当に、機械のように一定に、まるでモーターを使って動かしているように
ハンドルをコントロールする事も出来ますが、それだと、とても無機質な
ただの曲を再生するアナログなマシン。になってしまいます。
そうではなく、楽器として、演奏としてのポテンシャルを高めたいと考えています。
出来そうで出来なかった音量のコントロール
手回しオルガンのハンドルは、フイゴの動きと、ブックの紙送りの両方の機能を兼ね備えております。
その為、ハンドルをゆっくり回して、フイゴの空気圧をコントロールしようとすると
必然的に曲の再生スピードも遅くせざるをえません。
そこをどうにかしようと、ブックの穴の長さを工夫して作ったりもしていますが、
もっと、画期的な方法はないかと、音量調整の方法の試行錯誤が始まりました。
これも、何十台と失敗と試行錯誤を繰り返し、現在のシステムに行き着くことができました。
これに、より、本来「フォルテ(F)」でしか演奏が出来なかった手回しオルガンが、
「mute」「PP」「P」「F」などといった音楽的表現を付けれるように進化させました。
世界で誰もやった事がない事への挑戦
私が、手回しオルガンの製作に手を出し始めたのは、実は、長年の大きな夢があります。
その一つをここに書き記しておきます。(2025.3.24)
それは、、、
「手回しオルガンオーケストラ」です!
手回しオルガンや、自動演奏楽器は、1人オーケストラのように、
様々なパートを、1人の人間では演奏出来ない演奏が出来るように進化をしてきました。
オルゴール博物館や、書物などで
歴史を遡りながら、世界中の様々な自動演奏楽器などを見ると、感動します。
それは、とても感動しますし、おぉ!っとなります。
ですが、手回しオルガン演奏家として、約20年間活動をしてきて、ずっと感じていたことがあります。
それは、「ソリストの楽器として進化しすぎてしまっている」という事です。
私自身、さらなる可能性を模索する中で、様々な楽器とのコラボレーションにも挑戦をしてきました。
しかし、どうしても楽器の構造上、手回しオルガンのブックに合わせて、他の楽器が演奏してもらう。というのが多いのです。
複数台の手回しオルガンでの合奏なども、海外では良くみられますが、
同じブックを使って、息を合わせて演奏をする。というものでした。
それらも、面白いです。ですが、もっとその先の面白さがあると思っています。
そこで、考えました。
長年、1人オーケストラが出来るように進化をしてきた、この楽器を、
歴史を紐解いて、バラバラにしてみたらどうだろうか?と。
音域の広い楽器を複数台用意して、演奏するのでしょうか?
いいえ、それでは、とても大きく、重くなってしまいますし、非現実的です。
私の考えたアイディアは、こうです。
私の作っている「🌀RGAN(くるくるオルガン)」は、楽器の調性を決めるReed Plateを交換式にしました。
本来であれば、空気漏れを防ぐ為に、ネジでしっかりと固定したりして気密性を高めて作ります。
が、ガスケット(パッキン、シーリング)を研究したり、ネジに変わるものはないかと
何十台と、試作を重ねて現在の形になりました。
話は、戻りますが、私の夢は、このReed Plateが交換出来る画期的なシステムを使って実現させます。
名称は仮ですが「Soprano Plate」「Alto Plate」「Tenor Plate」「Bass Plate」という
ように、27keyの中で、音域を分けたPlateを作り、そのPlateに付け替えることで、
「Solist Model」から「Ensemble Model」へとチェンジをする事が出来ます。
自分の作った楽器を、購入して下さった方と共に、この特別な、世界中探しても誰もやっていない
大きな夢に挑戦してみたいと思っています。
この夢を形にするには、自分で、そういった楽器を生み出すしかありませんでした。
このアイディア自体は、頭の中には数年前からありましたが、5年ほどかけて、
やっと納得のいく楽器を作れるようになり実現に向けて動き出す事が出来ました。
手回しオルガンの魅力を多くの方に
自分が思い描く、こんな楽器が欲しい。それを形にしたのが「🌀RGAN(くるくるオルガン)」です。
時代と共に、楽器製作者も、演奏家も少なくなってしまっている楽器の一つですが、私は大好きです!
その魅力を後世に伝えていく事、そして、更に発展させていく事。
私の、手回しオルガン演奏や、作った楽器を通じて、1人でも多くの方に、
この「手回しオルガン」という素敵な楽器の魅力が伝わりましたら嬉しく思います。
挑戦は始まったばかり
私の頭の中には、まだ形に出来ていない、沢山のアイディアがあります。
演奏方法も、ブックのアレンジ方法も、楽器作りも、
もっと、もっと沢山勉強して、研究して、形にしていきたいと思います!
これから、この「🌀RGAN(くるくるオルガン)」と共に、色々な事に挑戦して、切り拓いていきます!🔥
あなたは、「くるくるオルガン」でどんな夢を実現させたいですか?
・人前で演奏して、みんなを笑顔に楽しませる、エンターティナーになりたい。
・自分で作った曲を手回しオルガンで演奏したい
・他の楽器は、諦めてしまったけど、この楽器ならやってみたい!
・手回しオルガンオーケストというのも参加してみたい!
可能性は無限大です。
是非、素敵な夢を叶える楽器になりましたら幸いです。